タックマンモデル

今日、企業では、大小さまざまなチームを編成して、仕事を進めることが多くありますが、ただ単にメンバーを集めただけでは、チームは有効に機能しません。

 

ドイツの心理学者であるリンゲルマンは、集団で作業をすると個人の努力がおろそかになって「社会的手抜き」と呼ばれる現象を発見しました。リンゲルマン効果とも呼ばれています。

1本の綱を1人が引く場合には、その人は100%の力を出しますが、その人数を2人、3人、8人と増やしていくと、1人が引く強さは93%85%49%まで下がることを実験で証明しています。これは、人数が増えるほど責任感が拡散するために生じるといわれています。

このようにチーム・ビルディングとは非常に難しいものですが、なかでも、チームリーダーに求められる期待や責任は小さくありません。ではチームリーダーは、どのようなことを意識して、マネジメントを行っていくべきでしょうか。

チーム・ビルディングに関する分析や理論は数多くありますが、心理学者であるB.W.タックマンが考案したチーム・ビルディングによるチームの状態を4段階で表現した「タックマンモデル」はとても参考になります。

タックマンモデルは、チームは次の通り、4つのプロセスをたどって機能するという考え方です。チームは形成後、混乱を経て、期待通り機能するようになるとしています。


 

同モデルにおけるチームリーダーが果たすべき役割は、各プロセスをスピーディに進行させ、Performing(機能期)の成果を最大化するよう導くことです。


 

同モデルにおけるチーム・ビルディングの成否は、必ず訪れるStorming(混乱期)をどのように乗り越えていくかに懸かっています。

最後に、その点を意識しながら、チームリーダーが各プロセス別に留意すべきポイントを整理してみましょう。


Forming(形成期)】

チームリーダーは、チームの目標を達成するための「課題」を明らかにする必要があります。

課題認識があいまいなまま、なんとなくプロジェクトを進行させるケースがよくみられますが、それでは、次のStorming(混乱期)においてメンバー間で意見の活発なやりとりが起きません。その結果、課題解決アプローチが十分に練られないため、最終的に高い成果を得ることは難しいでしょう。

逆に、チームリーダーが「課題」を明確に提示することによって、スピーディにStorming(混乱期)へ移行させることが期待できます。


Storming(混乱期)】

前のステップで明らかになった「課題」を解決するためのアプローチは、メンバーの組み合わせごとに異なります。

チームリーダーは、今回、編成されたチームならではの解決アプローチを見つけるために、メンバー間の相互理解を促す必要があります。ときに喧嘩をしたり、衝突する可能性もありますが、むしろ、それぞれの考え方や価値観を理解し合うチャンスととらえましょう。

相手の人格を否定するような言動は慎重に避けなければなりませんが、お互いに言いたいことも言えないようなチームでは、難易度の高い課題をクリアすることは困難です。


Norming(統一期)】

嵐のようなStorming(混乱期)の行方をみながら、チームリーダーは、メンバー間で共有された考えや価値観の違いを踏まえて、新たな行動ルールや役割分担をタイミングよく定めていきます。

各メンバーが意見をぶつけ合っているだけの状態が、短すぎても各メンバーは消化不良をおこしますし、長引きすぎてもお互いの信頼関係が回復不可能な状態に陥ることもあります。

なお、このとき、トップダウンによる押し付けはせず、メンバー全員と共同で課題解決アプローチをみつけることにより、チームとしての目標達成意欲を喚起することがポイントです。


Performing(機能期)】

これまでのプロセスを経て、チームは一丸となって、目標達成に邁進しますが、それでも、刻一刻と変化する状況に合わせて、メンバーは柔軟に役割を変化・適応させなくてはなりません。

そのためには、メンバーにチームの目標を無理やり押し付けるのではなく、メンバー自身の価値観とチーム全体の価値観が同心円状に重なり合うよう、チームリーダーは各メンバーとの対話をこつこつと続ける必要があります。

もちろん、こうした取組みは、Performing(機能期)に限らず、チーム結成当初から行われていくべきものであることは言うまでもありません。

 

 

最終更新 ( 2010/12/15 11:43 )