ニッチビジネス

ニッチビジネスとは潜在的な需要がありながら、これまで誰も手を付けずに隙間になっていたような特定の分野や市場を対象にしたビジネスのことを言います。ニッチ(niche)とは、もともとは生物学で生態学的地位すなわち自分の適所という意味です。生物は自分の生活空間、食べ物を限定することにより他種との競争を避け、棲み分けを行ってきました。生物が他種と共存するために見出す自分だけの場所という意味から発展し、今日では「くぼみ・隙間」を意味するようになりました。
現在のビジネスの世界において、ニッチビジネスは、一般的に経営資源が限られている小規模企業や大企業でも事業単位で行われていることが多い戦略です。

フィリップ・コトラーは業界内における企業の戦略的地位をリーダー・チャレンジャー・フォロワー・ニッチャーの四つのフレームに分け、地位に合わせた戦略を練るように説いています。ニッチャーとは大手企業にとっては魅力がない、または気づかない特定の小さな市場の中で独自の地位を築く企業(事業者)を指します。

【コトラー戦略的地位】

 



例えば、コンビニエンスストアのナチュラルローソンは20~30代の働く女性をターゲットとした高付加価値型の健康志向のコンビニエンスストアで、首都圏のみに展開しており、原材料から製造方法まで健康にこだわった商品を扱っています。例えば、店内で製造した焼きたてパンを販売したり、女子栄養大学と共同開発した弁当を販売したり、これまでのコンビニエンスストアとは少し違った商品展開を行っています。 

また、セイコーマートは、出店地域をほぼ北海道のみに限定し、営業地域を限定することで、他社との違いを打ち出しました。流通業では、商品を調達し各店舗に過不足なく配達することは重要なことですが、地域が広くなればそれに伴ってコストも増加します。そこで地域を限定することでその地域におけるリーダーとなり、効率よく収益をあげる方策をとったのです。これにより、北海道では圧倒的なシェアを維持し続けています。
セイコーマートにおけるニッチビジネスとは、狭い範囲のターゲットに特化するだけではなく、流通の部分で圧倒的パワーを有するリーダーに対抗するための作戦と言えます。

このようにニッチビジネスはある特定の分野に特化しますが、特化する対象にも、場所・ターゲット・チャネル・商品等、種類があります。大きいサイズの服のみを製造、販売するメーカー、トヨタの一部品のみを製造する自動車部品メーカー、等もその一例です。また、商品ありきで、結果的にニッチなターゲットからうけニッチビジネスになったという例もあります。

皆さんの会社が属する業界でのリーダー、自社の地位などを整理し、今後とるべき戦略について考えてみましょう。