AMTUL(アムトゥール)とは消費者の購買プロセスモデルの一つで、Aware(認知)・Memory(記憶)・Trial(試用)・Usage(本格的使用)・Loyalty(固定客)の5段階のプロセスの頭文字を表したものです。また、AMTULはAIDMAとは異なり、各段階を数値で捉えることができる点も大きな特徴です。
具体的には、認知・記憶・試用・本格的使用・固定客の各段階について、「再認率」・「再生率」・「使用経験率」・「主使用率」・「今後の購入意向率」という指標で実態を調査することが可能です。
<AMTULのモデル>
※1 再認率
商品名やブランド名を与えることにより製品として認知できる比率
【質問例】○○という商品を知っていますか?
※2 再生率
商品名やブランド名を記憶しており、助けを借りずにブランド名を挙げられる比率
【質問例】△△といえば、どんなブランドを思い出しますか?
このように、AMTULモデルでは各段階で指標化することが可能なため、消費者に対するコミュニケーション目標を達成できたか定量的に捕捉することが可能となります。
このため、広告・キャンペーンなどの効果測定はもちろん、自社のブランド・製品を成長させていく過程で、次の打ち手を立案することに効果を発揮します。
また、単純に再認率・使用経験率などの段階ごとの指標を把握して打ち手を考えるだけでなく、段階間の比較により打ち手を考案する事も効果的です。
例えば、認知者に占める使用経験者の割合(T/A)、使用経験者に占める現在使用者の割合(U/T)、現在使用者に占める使用意向者の割合(L/U)など、歩留まりを分析することによって、問題点を明確にすることができます。例えば、T/A比率が低ければ「店頭取扱いが少ない」・「商品の魅力が伝わっていない」などの問題点が想定され、U/T比率が低ければ「商品自体に問題があるのでは」、ということを発見し、具体的な対策を打つ事が可能となります。
ただし、指標の分析において留意することがあります。
段階ごとの指標・段階間での指標ともに、数値の絶対値や担当者の主観だけで判断をすべきではありません。経年分析はもちろん、競合ブランドや競合製品との比較を加えることにより、数値に意味が産まれ、戦略的な打ち手を見つける事が可能となります。
例えばシェア2位の自社製品とシェア1位の競合製品を考えてみましょう。
現在、自社ではシェア奪取に向けマス広告の大量露出をしているとします。しかし実際に調査をしてみると、再認率・再生率はほぼ競合と同等でU/T率(使用経験者に占める本格的使用者の比率)は自社の方が高い結果が出たとします。
この場合、世間に広く知られ、使った人はその後も利用する傾向が強いにも関わらず、実際に使った経験が少ないということがボトルネックとなっていると考えられます。とすると、取るべき打ち手は露出を目的としたCMではなく、店頭でのサンプル配布や試用キャンペーン、比較広告など、まずは商品の良さを知ってもらうために資本投下すべきと言えます。過去に、コカコーラにシェアが劣っていたペプシコーラが取った戦略の一つも、このような考え方だったと考えられます。
<段階別の打ち手例>

多くのビジネスにおいて、リピーターが生み出す生涯収益が重要であることは、ご周知のことと思います。
しかし、新商品投入時など、長期的観点が抜け落ちたことにより初期購買に資本を集中投下し、その後の成長施策に投資が回らなくなるケースも見受けられます。
その結果、短期的な投資採算に見合わず、本来であれば継続的に成長するような優れた商品であるにも関わらず、プロジェクトから撤退することにも成り得ます。
皆さんの会社でも、AMTULモデルを用い、長期的な観点で自社ブランド・製品を成長させる計画を立ててみてはいかがでしょうか。
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