ラーニング・オーガニゼーション

ラーニング・オーガニゼーションとは、所属するメンバーの自主的な学習を促進し、その相互作用を通じて、過去の組織文化や戦略の枠に思考や行動を縛られることなく持続的に自己改革していく機能を備えた組織のことを言います。

 

センゲは、著書の中でラーニング・オーガニゼーションの実現手段として、本の原題でもある「5つの構成技術(ディシプリン)」をあげています。

①システム思考(systems thinking):ビジネスにおける構造的相互作用を把握する力  


②自己マスタリー(personal mastery):メンバー11人が自己を高める意志を持つ


③メンタル・モデルの克服(mental models):凝り固まったものの考え方を克服する


④共有ビジョンの構築(shared vision):個人と組織のビジョンに整合性を持たせる


⑤チーム学習(team learning):対話を行うスキルと場を養う

5つの構成技術を習得・実現することによって、所属メンバーが課題や解決策を発見するための継続的学習を行い、チームで協力・柔軟に対応することにより問題解決型組織を作ることができることを説いています。

組織論としてのラーニング・オーガニゼーションは、組織の構造的な問題・限界を明らかにしたうえで、効率を重視した「階層制組織(管理する組織)」に対するアンチテーゼとして、問題発見・問題解決を重視した「分権制組織(学習する組織)」を説いたものになっていますが、同時に5つの構成技術はその一つ一つが1ビジネスパーソンとして学ぶべき要素になっています。

例えば、「システム思考」は問題を構造化して捉えて正しくアプローチする手法そのものですし、「自己マスタリー」は人間成長のヒントとなり、「メンタル・モデルの克服」では自分の持つメンタル・モデル(固定観念やスキーマと言い換えてもいいかもしれません)への気付きを与えてくれます。

約20年前に出された考え方ではありますが、普遍的な内容で現在にも通じるものといえます。特に、環境変化の早い現代のビジネスにおいては、以前からの戦略が通用しないことが多々あります。そのような場合、他者から戦略を与えられるのではなく、メンバー自らが戦略を考えて、それを全体の戦略に広めていくことが求められます。また、リーダーは、メンバーがそのようなスタンスで仕事をするようにマインドを変えていく必要があります。

出典の「最強組織の法則」も組織論や啓発書として一読することをお勧めします。

ラーニング・オーガニゼーションを提唱したのはマ、サチューセッツ工科大学のピーター・M・センゲ教授で、1990年に出版された「The Fifth Discipline(邦題:最強組織の法則)」によって世界中に広まりました。